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症例報告

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症例報告

【ご注意】以下のページには手術中の写真が含まれています。あらかじめご了承の上お進みいただけますようお願い申し上げます。

猫の異物摂取による消化管穿孔

2023.06.18
◆日本猫 3歳5カ月 去勢オス 4.5㎏
◆稟告 元気消失・嘔吐・食欲廃絶

◆診断
異物摂取(紐状異物)による腸閉塞

結腸内に白く写る細長い異物(赤矢印)が確認できます。


舌のつけ根に細い紐が引っかかっており、裂けた舌根部が確認できる。

◆治療
手術による異物の除去・穿孔部の閉鎖・大網摘出・腹腔洗浄・アクティブドレイン留置


異物は舌から結腸まで連続しており、穿孔部位は10か所ほど認めました。
4か所ほど腸管切開を行い、異物を全て除去しました。
穿孔部位は縫合により全て閉鎖しました。
汚染された大網は全て除去し、徹底的に腹腔洗浄を行いました。
培養検査により5種類の細菌を同定し、感受性検査に基づく抗生剤の投与を十分にしました。

◆経過
重度の化膿性腹膜炎に陥り、2回の手術を要しましたが、ほどなく改善。

◆考察
摂取した異物はマスクと判明。
発症数日前に、コロナ禍の必需品フェイスマスクで遊んでいたとのこと。
紐が好きな猫・ビニールが好きな猫・スポンジ素材が好きな猫、嗜好性は様々です。
いずれにしても異物摂取は、腸閉塞や消化管穿孔を引き起こし、死に直結します。
遊んでいる姿は可愛いですが、要注意です!!

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