2020.05.22
◆猫 7か月令 雌
◆稟告 子猫なのに活発でない/削痩/常時、鼻がスビズビ鳴っている
◆検査所見
口腔内に大きな腫瘤塊を認める
◆手術
気管チューブの挿入が困難な為、スタイレット(金属性の棒)をガイドとして使用しました。
腫瘤は咽頭部(上顎の窪み)より発生しており起始部より摘出しました。
その後、併せて避妊手術も行いました。
◆病理組織 鼻咽頭ポリープ
この腫瘤は非腫瘍性病変で「猫の鼻咽頭ポリープ」または「中耳ポリープ」して知られています。
一般的に若齢の猫で発生を認め、拡大と共に不快な臨床症状が悪化します。
この病変は、鼻咽頭粘膜や外耳道そして鼓膜から発生します。
耳に発生した場合は全耳道切除および鼓室胞切開を行います。
◆経過
呼吸器症状はすぐに改善しました。
術後、右眼の瞬膜突出・瞬き機能の低下・羞明など一過性の顔面神経症状を認めましたが4週間ほどで徐々に消失しました。