症例報告

症例報告

【ご注意】以下のページには手術中の写真が含まれています。あらかじめご了承の上お進みいただけますようお願い申し上げます。

猫の腎細胞癌

2024.04.16
◆猫 14歳3ヶ月 去勢オス 4.02㎏
◆稟告 昨日から腰が抜けてる。歩行困難でふらつく。

◆診断
腎臓腫瘍

  

◆手術準備
腎臓はエリスロポエチンという造血ホルモンを産生する臓器なので、腫瘍化すると上記の様に異常な多血症を発症することがあります。
通常は30~50%の血液濃度が70%を超すと、生命にかかわる様々な弊害を引き起こします。
そのため、3日間点滴をして血液の粘調度をある程度下げてから手術を行いました。


◆手術

赤矢が腫瘍部分。腎臓の半分以上の領域で腫瘍組織に置換されています。腎被膜を破らぬ様に摘出します。

◆確定診断
「腎細胞癌(高分化型)」
比較的稀な腫瘍で、予後データ情報は少ないですが、完治も期待できます。

◆経過
その後、多血症は消失し現状経過良好です。