症例報告

症例報告

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皮膚肥満細胞腫

2023.08.17
◆柴犬 14歳2カ月 避妊メス 12.04㎏
◆稟告 急に肩から出血して、血が止まらない

◆診断
皮膚肥満細胞
針吸引による細胞診断を行い、皮膚肥満細胞腫を確認。
症例はダリエ兆候(肥満細胞腫に特徴的な出血所見)を呈していたため、ステロイド剤・抗ヒスタミン剤の投与、および圧迫止血を数日間施した後、
手術を実施。

◆治療
拡大切除術

腫瘤は径約5㎝と比較的大型だったため、根治を目指し水平方向3㎝のマージン、および垂直方向筋膜と筋肉を含めて一括切除をしました。そのままでは縫合できない為、背側側に皮膚形成を施し閉鎖。

◆診断
皮膚肥満細胞腫 グレード2/高グレード マージンクリア

◆経過


◆考察
犬の肥満細胞腫は、比較的多く、様々な見た目を呈します。
逆に肉眼所見に統一性が無いことが特徴とも言えます。
診断は、概ね針生検により確定します。
グレードは様々ですが、基本は皮膚癌なので手術が可能な場合は、外科的切除が第一選択となります。
この子の腫瘤は、比較的大型であり、2段階組織グレード法では高グレードでした。
今後は、分子標的薬なども視野に入れながら、より良い予後を目指したいと思います。