症例報告

症例報告

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犬の鼠経ヘルニア

2023.02.10
◆パピヨン 10歳9カ月 未去勢オス 5.28㎏
◆稟告 鼠径部の腫大が、最近になり顕在化。

◆所見
今のところ無症状ですが、1~2カ月の間に徐々に大きくなりました。

  

◆診断
鼠経ヘルニア
X線検査および超音波検査により、消化管の嵌入を確認


◆治療
手術による整復。このサイズのヘルニアは押し戻すことが出来ないため、開腹後、脱出した臓器を腹腔内に引き戻し、穴を塞ぎます。この子は、偶然に膀胱結石も認めたため、併せて膀胱切開を施し、膀胱結石を摘出しました。犬の陰茎には骨があるため、比較的小さな膀胱結石も尿道閉塞の原因となるため、手術適応となります。


◆考察
脱出した消化管が捻転すると腸閉塞や腸管壊死など重篤な病態に陥ることがあります。
鼠経ヘルニアは、高齢になってから顕在化することもしばしばあります。
還納性のあるヘルニアは、無症状期に手術をすることが肝心です。